CANGAROOのご紹介

CANGAROO(Collaboration of Australia and Nippon (Japan) for a GAmma Ray Observatory in the Outback の頭文字からの造語)とは、 天体からの超高エネルギーガンマ線の 存在と性質の解明を目指した 日本・オーストラリアの共同研究です。南オーストラリア州 ウーメラ(東経136度、南緯31度)に 設置した 10m望遠鏡4台のシステム(CANGAROO-III)を 用い、ガンマ線シャワーが大気中で 放出するチェレンコフ光を通してガンマ線 天体の観測を行っています。

高エネルギーガンマ線での観測により、可視光ではわからない激しい天体現象が 明らかになってきます。CANGAROOチームは、 そのような天体として、南天から見える パルサーやその周りの星雲、 超新星残骸 活動銀河核などをねらいとして、 かつて堂平天文台で月レーザ測距儀として活躍した 3.8m 口径望遠鏡を チェレンコフ望遠鏡に改造し、ウーメラに移設してガンマ線の観測を 1992年から開始しました。

チェレンコフ光はガンマ線だけでなく荷電宇宙線によっても発生し、 しかも頻度は宇宙線のほうがずっと高いため、ガンマ線信号は そのままではこの雑音宇宙線に埋もれてしまいます。 ガンマ線からのチェレンコフ光は 宇宙線の場合に比べてコンパクトで、 しかも候補天体方向に伸びたイメージを作ります。 米国ホイップル・グループはこの性質を利用して雑音と 区別するイメージング法を開発し、 1980年代の終わりに最初の確実なTeV (= 1012eV)領域 ガンマ線天体としてかに星雲を発見しました。

CANGAROO-I 3.8m望遠鏡(1992-1998)は、 鏡面精度の良い反射鏡と 256素子高分解能カメラにより、イメージング法を適用して いくつかのTeV領域のガンマ線天体を観測し、 南半球における超高エネルギーガンマ線天文学のパイオニアとしての 役割を果たしてきました。

CANGAROO チームは、この成果を基に、さらに高精度の観測を目指して 新規大口径望遠鏡(CANGAROO-II)の建設を ウーメラで進め、1999年 3月に 7m 口径として完成させ、5月から定常観測を開始しました。さらに 2000年 3月にはこ の望遠鏡を 10m 口径に拡張しました。観測可能なエネルギー領域は 0.3 TeV 程度 まで下がり、超新星残骸を始めとするいくつかの超高エネルギーガンマ線天体を発 見することができました。RX J1713.3-3946 と呼ばれる超新星残骸の観測データを 例としてに示します。

さらに、チェレンコフ光を複数台の望遠鏡でステレオ観 測して到来方向やエネルギーの精度を上げるため、10m 望遠鏡を 4台 用いる CANGAROO-III 計画1999年度より 文部省科学研究費中核的拠点形成 プログラムとしてスタートしました。 7m 望遠鏡の 10m への拡張 をこの計画の最初の段階として行い、 2002年には 10m 望遠鏡第 2 号機、第 3 号 機の建設を行い、2003年に第 4 号機が完成を迎え、 2004年 3月には 4台すべての望 遠鏡による観測が始まりました。観測データの蓄積を進め、ガンマ線信号 を抽出して、高エネルギーで見えてくる激しい天体活動の仕組みを解明すべく、日々 研究を続けています。

新聞記事

雑誌記事

パンフレット (2006年10月の宇宙線研究所一般公開で配布) [pdf] New!

宇宙線研究所要覧原稿 (2006年5月) [pdf] New!

用語解説