高エネルギー天体の超高エネルギーガンマ線による研究

カンガルー(CANGAROO)III 計画

― 日本とオーストラリアのガンマ線共同観測 ―

東京大学宇宙線研究所 (〒277-8582 千葉県柏市柏の葉5-1-5)

観測場所 : アデレード大学国際天体物理観測所(オーストラリア・ウーメラ)

宇宙の超高エネルギー現象を探る

エネルギー収支勘定

極限状態の物理を探る

銀河系外へ拡大する、「宇宙の超高エネルギー素粒子(宇宙線)の起源」の解明

超高エネルギーガンマ線の検出方法

これまでの研究実績

  1. 銀河中心を真上に仰ぎ、人工光の雑音がなく気象条件の良いオーストラリアで1992 年から観測を行ってきた(図10)。
  2. 高分解能カメラの有用性を、建設当時世界最高の角度分解能を持つ光電子増倍管カメラによって示した。
  3. 解像型チェレンコフ望遠鏡を大天頂角で用いて10〜100 TeV (1TeV = 1012eV) の最も精度の良いガンマ線検出を行った。

 

 

表1 CANGAROOによる観測のまとめ

天体

エネルギー

(TeV)

フラックス

(10-12cm-2s-1)

備考

かに星雲

7

0.80

d=2 kpc

ほ座パルサー

2.5

2.9

d=0.5 kpc

PSR 1706-44

2

3.5

d=1.8 kpc

PSR 1509-58

1.5

3.1

d=4.2 kpc

PSR 1055-52

2

< 0.95

d=1.5 kpc

超新星残骸1006

3

2.4

d=2 kpc

RXJ 1713.7-3946

1.8

5.3

d=6 kpc

W28

1.5

< 6.6

d=2-3 kpc

Cen A

2

< 1.5

z= 0.0018

EXO 0423-084

2

< 1.1

z=0.039

PKS 2005-489

2

< 1.1

z=0.071

PKS 2316-423

2

< 1.1

z=0.055

  1. ガンマ線パルサー PSR B1706-44(図11)、ほ座パルサー(図12)などに附随するパルサー星雲、及び殻型超新星残骸 SN1006 等少なくとも3個の超高エネルギーガンマ線源を発見した。
  2. パルサー星雲についての結果は粒子加速に伴う主要な非熱的高エネルギー過程が GeV 領域から TeV 領域へのエネルギー増大とともに、パルサー磁気圏から星雲へと移行する現象を観測事実として確立した。
  3. かに星雲について 50 TeV を越えるガンマ線を発見し、天体から観測された最大エネルギーのガンマ線となっている(図13)。
  4. 超新星残骸 SN1006 から TeV ガンマ線を検出し、衝撃波加速によって〜100 TeV の電子が加速されている直接的な証拠を与えた(図14)。


本計画と諸外国における研究情勢

カンガルー:CANGAROO

(Collaboration of Australia and Nippon

for a GAmma Ray Observatory in the Outback)

¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾

研究代表者:木舟 正

    (東京大学宇宙線研究所)

参加者研究機関:

東京大学宇宙線研究所

アデレード大学

オーストラリア国立大学

茨城大学理学部

茨城県立医療大学保健医療学部

宇宙科学研究所

理化学研究所

神奈川大学工学部

甲南大学理学部

京都大学理学部

国立天文台

大阪市立大学理学部

名古屋大学太陽地球環境研究所

東海大学理学部

東京工業大学理学部

山形大学理学部

山梨学院大学

WWW: http://icrhp9.icrr.u-tokyo.ac.jp