CANGAROO

(Collaboration between Australia and Nippon for

a GAmma Ray Observatory in the Outback)

CANGAROOはガンマ線(最も短い波長の光)で宇宙を観測しようとする日本・オーストラ リア共同のプロジェクトです。高エネルギー(約1兆電子ボルト=TeV)のガンマ線が大気 に入射して粒子のシャワーを起こすときに発せられる、チェレンコフ光という青い光の フラッシュを大口径の光学反射望遠鏡を用いてとらえます。人工の粒子加速器を超え、 地上で実現不可能な宇宙の実験室で、中性子星や超新星、活動銀河核といった極限状況 における現象の研究を行うことを目的としています。

我々の 望遠鏡は南オーストラリア州ウーメラ(Woomera、図1)近郊の砂漠地帯に設置された口径 3.8mの反射鏡(図2)で、主焦点には光電子増倍管256本からなる超高速カメラ(図2右 下)が設置されています。

図1 オーストラリアの地図
図2 現在稼働中のCANGAROO 3.8m望遠鏡

1992年から今までの観測で、かに星雲(図3)、 パルサー1706-44(図4)、ほ座パルサー(図5)および超新星残骸1006(図6)の四 つの天体について超高エネルギーガンマ線の信号の検出を報告しています(表1)。

図3 かに星雲のエネルギースペクトル
図4 パルサー1706-44周囲の信号の有意性のマップ
図5 ほ座パルサー周囲の信号のマップ。最大値は現在のパルサーの位置から ずれており、パルサーの誕生した場所に近い。
図6 超新星残骸1006からのガンマ線信号の有意性のマップ。あすか衛星による X線の強度が比較のため等高線で重ねてある。

表1 CANGAROOによる観測のまとめ

Object

Threshold

(TeV)

Flux

(10-12cm-2s-1)

Comment

Crab

7

0.80

d=2 kpc

Vela

2.5

2.9

d=0.5 kpc

PSR 1706-44

2

3.5

d=1.8 kpc

PSR 1509-58

1.5

3.1

d=4.2 kpc

PSR 1055-52

2

< 0.95

d=1.5 kpc

SN1006

3

2.4

d=2 kpc

Cen A

2

< 1.5

z= 0.0018

EXO 0423-084

2

< 1.1

z=0.039

PKS 2005-489

2

< 1.1

z=0.071

PKS 2316-423

2

< 1.1

z=0.055

さらに観測の感度を高めるために、 3.8m望遠鏡の隣に口径7mの反射望遠鏡を建設中であり、512本の 光電子増倍管からなるカメラを用いて南天の高エネルギー天体の観測を 1998年度から開始する予定です(図7)。

図7 EGRET衛星がとらえた ガンマ線源の天球上の分布。CANGAROO望遠鏡は南天から青い影をつけた 領域を観測し、北天の観測(紫色の影)と合わせて全天をカバーする。

研究代表者:木舟 正 (東京大学宇宙線研究所)

参加者研究機関:

WWW: http://icrhp9.icrr.u-tokyo.ac.jp

 

望遠鏡格納庫と回 路小屋

(March 1998)